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LANケーブルのカテゴリの見分け方|ケーブルの種類や構造、形状による選び方を解説

近年のインターネット普及にともない、無線で通信を行う機会が増えています。

特に無線LANルーターを使用した「Wi-Fi接続」は、有線LANのように配線がいらず、ホームルーターのようにコンセントを挿すだけでモバイル回線を使って通信できるので重宝されています。

しかし、光回線を無線LANルーターと接続して安定した通信を行なうためには、「有線LANケーブル」が必要です。

LANケーブルには種類・規格(カテゴリ)があるため、状況に応じたケーブルを選んでネットワーク環境を構築する必要があります。

LANケーブルを使用することで、壁や天井などの障害物、Bluetooth機器などが発する電波の影響を受けにくく、安定した通信速度でインターネットに接続することができるでしょう。

本記事では、そんなLANケーブルのカテゴリと選び方について詳しく紹介します。

LANケーブルのカテゴリの見分け方

LANケーブルのカテゴリの見分け方

LANケーブルを見分けるにあたって、簡単でわかりやすいのはLANケーブルに印字されているカテゴリ名を確認することです。

各LANケーブルには、「CAT5」というようにアルファベットと数字の組み合わせが印字されています。

「CAT5」であればカテゴリ5、「CAT6」であればカテゴリ6と見分けることが可能です。

印字方法は製品ごとにさまざまですが、パッケージやケーブル本体などに比較的わかりやすくカテゴリ名が印字されていることが多いので、すぐに見分けることができます。

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LANケーブルのカテゴリとは

LANケーブルのカテゴリとは

LANケーブルのカテゴリとは、通信速度や周波数などによって区分された規格のことです。

カテゴリは6種類あり、数字が大きくなればなるほど通信速度が速く、伝送帯域が広くなります。

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通信規格 最大通信速度 おすすめの利用シーン
CAT5 100Mbps 比較的安価だが、速度が遅い。

最低限のインターネット接続で十分という方におすすめ

CAT5e 1Gbps サイト閲覧やメールなどの日常使いにおすすめ
CAT6 1Gbps 周波数がCAT5eの2倍以上で、インターネットを快適に利用したい方におすすめ
CAT6A 10Gbps インターネット動画を頻繁に見る方におすすめ
CAT7 10Gbps オンラインゲームや業務用として利用する方におすすめ
CAT8 40Gbps ノイズ耐性が高く、主に業務用として使用されるのが一般的

LANケーブルは、単純に回線速度で選ぶのであれば数字の大きいものがよいです。

下位互換性があるため、基本的には数字の大きいものを選べば問題ありませんが、その分価格も高額になります。

通常の理論値速度1Gbpsの光回線で使用するのであれば、CAT6以上がよいでしょう。

CAT5

CAT5とは、LANケーブルのなかでもっとも安価で入手できるタイプです。

通信速度は100Mbpsと低速規格のLANケーブルで、セール品となっている無線LANルーターやHUBなどに同封されているケースも多いでしょう。

最低限のネット接続のみでよい方や、できるだけ安くLANケーブルを手に入れたい方におすすめです。

CAT5e

CAT5eとは、パソコンやスマホなどのインターネット接続に使用する場合に充分な通信速度を発揮します。

コストパフォーマンスにも優れているため、一般家庭で使用する分にはおすすめのカテゴリといえるでしょう。

小規模であれば、オフィスでのインターネット通信も十分にまかなえます。

CAT6

CAT6は「CAT5e」と同様、通信速度は1Gbpsとなっていますが、周波数が2倍以上の250MHzになります。

周波数が上昇するほどより多くのデータ伝送が可能となりますので、大容量ファイルの転送を行うのも快適です。

映画や動画などをよく観る場合には、こちらがおすすめできます。

CAT6A

CAT6Aは、主にパソコンやテレビ、タブレットなどで動画コンテンツを頻繁に利用する方や、テレビ会議などのビデオ通話を利用する方におすすめです。

通信速度は10Gbpsとなっており、周波数はCat6の2倍の500MHzとなっています。

現在主流になりつつある超高速な光回線サービスにも対応できるため、これから新しくLANケーブルを購入する方には「CAT6A」がおすすめです。

CAT7

CAT7は「CAT6A」と同様、通信速度は10Gbpsとなっていますが、ノイズ耐性が高いカテゴリです。

精密な機器を使用する現場や工場での利用、負荷が高い業務用サーバーとの接続にも最適です。

CAT8

CAT8は40Gbpsと超高速で、帯域幅は2000Mhzと広帯域です。

2023年現在、もっとも高速なLANケーブルとされています。

ノイズ耐性も高く、高速で安定したネットワーク環境を構築することが可能です。

ただし、その性能を一般家庭で活かす環境はほぼないため、個人が選ぶ機会は少ないでしょう。

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LANケーブルのカテゴリの選び方

LANケーブルのカテゴリの選び方

さまざまなカテゴリがあるLANケーブルですが、自身の環境や用途にあわせて選ぶ必要があります。

回線速度を最大限に活用するには、環境に適したLANケーブルを選ぶことが重要です。

LANケーブルを選ぶポイントは、以下のとおりです。

  • カテゴリで選ぶ
  • LANケーブルの構造で選ぶ
  • LANケーブルの形状で選ぶ
  • LANケーブルの種類で選ぶ
  • LANケーブルの結線で選ぶ
  • ケーブルの長さで選ぶ

カテゴリで選ぶ

LANケーブルはカテゴリによって通信速度や伝送速度が異なるため、使用環境に合ったカテゴリを選択しなければその性能を発揮することができません。

たとえば、1Gbpsの光回線サービスを利用しているのに、通信速度100Mbpsの「CAT5」ケーブルを使用すれば、利用している光回線の通信速度を活かすことはできないでしょう。

しかし、LANケーブルには上位互換性があり、「CAT5e」対応機器に「CAT6」のLANケーブルを使用することは可能です。

光回線サービスには問題ないのに、インターネットが遅いと感じる場合、使用しているLANケーブルを見直してみることもおすすめです。

LANケーブルの構造で選ぶ

LANケーブルの内部には8本の銅線(芯線)が入っており、「単線」と「より線」の2種類があります。

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メリット デメリット
単線 太い銅線が使用されており、安定した通信、長距離の配線が可能 ケーブルが固く、曲げての使用には不向き
より線 細い銅線を使用したケーブルでやわらかく、配線しやすい 単線よりも安定感が劣り、長距離の配線に不向き

ケーブル長が10m以上の場合は、安定した通信が可能な「単線」がおすすめです。

一方、複雑な配線や配線したいケーブル長が5m以下の場合は、「より線」の方が十分な性能を発揮します。

LANケーブルの形状で選ぶ

LANケーブルには、カーペットの下やドアの隙間などの配線に最適なフラットタイプや細いスリムタイプなどさまざまなものがあります。

使う目的や場所に合わせた形状のLANケーブルを選びましょう。

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メリット デメリット
スタンダード ノイズの影響を受けづらく、長距離の配線が可能 ケーブルが曲がりにくく、複雑な配線には不向き
スリム 軽量で取り回しがしやすく、狭い場所での配線が可能 スタンダードタイプに比べて通信の安定性で劣る
フラット 厚さ1mmほどでカーペットの下などに配線が可能 ノイズの影響を受けやすく、長距離の配線に不向き

スリムタイプ、フラットタイプは、主に狭い場所などでの使用が快適になりますが、それぞれデメリットがあるため注意が必要です。

とくに使用環境に条件がない場合には、スタンダードタイプの使用をおすすめします。

LANケーブルの種類で選ぶ

LANケーブルにはさまざまな特徴を持つ製品があります。

配線場所に最適な特徴を押さえてケーブルを選択しましょう。

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ケーブルの種類 特徴
爪折れ防止LANケーブル コネクタ部の爪が折れにくく、爪折れを防ぐ保護カバー付きや折れないナイロン製の爪を採用したものなどがある
UTPケーブル ノイズへの対応は高くないが、一般家庭や企業でのノイズは十分対応可能
STPケーブル ノイズへの対応を強化したLANケーブルで、UTPケーブルに比べて価格が割高
金属外皮ケーブル 外皮が金属製で耐久性のある防鼠LANケーブル
抗菌ケーブル 細菌の繁殖を抑える効果があり、医療機関などの清潔さが求められる環境への対応が可能
PoE対応ケーブル PoE対応機器(無線アクセスポイント、ネットワークカメラ、IP電話など)に電力を直接供給可能にしたケーブル

それぞれのケーブルには特徴があり、適した環境で使用することによりその性能を発揮します。

とくにPoE対応ケーブルは、電源を別途取る必要がなくなり、天井や屋外など電源を取りにくい場所でもネットワーク機器を設置することが可能です。

また、金属外皮ケーブル、抗菌ケーブルといった特殊な環境での使用を想定したケーブルも増えてきており、使用環境に対応したケーブルを選ぶことが重要といえます。

LANケーブルの結線で選ぶ

LANケーブルの結線には、「ストレートケーブル」と「クロスケーブル」の2種類があります。

配線機器やケーブルそれぞれの特徴をしっかりと理解した上でLANケーブルを選びましょう。

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メリット デメリット
ストレートケーブル パソコンとHUB・ルーターを接続できる パソコン同士は接続できない
クロスケーブル パソコン同士を接続できる パソコンとHUB・ルーターは接続できない

LANケーブルの内部には複数の銅線が通っていますが、ストレートケーブルはこれらの銅線が交差することなく真っ直ぐ通っているLANケーブルです。

対してクロスケーブルは、ケーブル内で銅線同士が交差しています。

従来、接続方法にあわせてケーブルを選ぶ必要がありましたが、通信相手のポートやLANケーブルの種類を自動判別する「オートMDI/MDI-X」と呼ぶ機能が登場し、LANケーブルはストレートでもクロスでも構わなくなりました。

ケーブルの長さで選ぶ

使用する場所の広さや接続する機器の設置場所によって、適したケーブル長は異なります。

長すぎるとノイズが発生しやすくなり、余剰のケーブルも邪魔になります。

LANケーブルは1m以下から100mを超えるものまで豊富な種類があるので、環境に合った長さを選びましょう。

~0.5m:モデムやルーターを接続する
モデムとルーターなどを接続する場合は、0.5mほどの短いケーブルをおすすめします。モデムやルーターなどは近い場所に設置することが多いため、短いケーブルですっきり接続することが可能です。
1~2m:パソコンとモデムを直接接続する
パソコンとモデムを接続する場合は、1~2mくらいの長さのケーブルがおすすめです。直接接続であまり長いケーブルを使用すると、ノイズが発生しやすくなります。
~10m:室内で配線する
室内で配線する場合、4.5畳であれば3mケーブル、6~10畳であれば5m~10mケーブルを基準に、家具の配置に合わせてケーブル長を選びましょう。

なお、ケーブルを収納する際に束ねる場合は、余裕をもった巻き方にしましょう。

きつく巻いたり、ねじれたまま巻いたりすると、内部の線を圧迫して通信が阻害されたり、結束とケーブルの被覆が摩擦し被覆が破けたり、ケーブルそのものが切れたりといったトラブルの元になります。

通信の遅延にも影響することがあるため、ケーブルのもともとの長さをよく見て、適したものを選ぶのがおすすめです。

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使用用途に合ったLANケーブルを選ぼう

 

使用用途に合ったLANケーブルを選ぼう

LANケーブルは一見どれも同じように見えますが、今回ご紹介したようにそれぞれの用途に合わせてカテゴリで区分されています。

またケーブルの構造、形状もさまざまな種類があり、カテゴリと合わせて、使用するインターネット環境に適したものを選ぶ必要があります。

それぞれの特徴を理解して適したケーブルを使用しなかった場合、想定したインターネット環境が構築できない場合や、あまりにも通信速度が出ないなどの不具合が出る場合があります。

現在使用しているインターネットが遅いと感じる場合は、LANケーブル自体や接続方法などを一度見直してみてはいかがでしょうか。

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本記事では、「プロバイダー」「プロバイダ」の表記を「プロバイダー」に統一しております。
GreenEchoes Studio代表 河村 亮介
通信費節約の専門家兼「グリーンエコーズスタジオ」の代表として、回線系WEBメディア「GreenWaves」の企画運営執筆を担当。回線系サービスに関する深い知見を活かし、さまざまな媒体にて執筆や監修など活躍中。
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